あの頃、向田邦子も久世光彦も加藤治子も僕達も、何故かみんな不幸だった。
不幸だったからこそ、幸せとは何かが、誰よりも解っていたように思う。
結婚記念日なんてしゃらくさい事には、全く関心が無かった貫太郎だが、今時の人間のように、離婚なんて事は、全く考えても見なかった。
大げさに言えば、二度と帰らない昭和という凄い時代を、一途に生きた日本人の心の記録が、ここにある。
今の世の中では、時に愛が暴力に至るこの物語は、放映不可能であろう。

小林亜星

東京・谷中の石屋を舞台にカミナリ親父を中心とした一家の日常を描く、向田邦子ドラマ「寺内寛太郎一家」の第２弾！
新しい貫太郎一家は、貫太郎・里子夫婦に長男・大助（谷隼人）、次男・周平（西城秀樹）、長女・節子（風吹ジュン）という3人の子供がいる設定。きんとお手伝いのミヨ子は変わらない。
ただ、長男・大助は恥ずべき過去を背負っている。2年前の夏、酒に酔って婦女暴行未遂事件を起こし、懲役十ヶ月執行猶予二年という判決を受けたのだ。間もなく執行猶予が明けるのだが、このことが節子の縁談、貫太郎の身辺にも重く影を残すことに…。

放映日時：1975年・TBS系にて放映　全30話

＜第16話より＞

大助(谷隼人)と多江(池波志乃)の結婚式の日。執行猶予中のため新婚旅行をあきらめた大助たちを、貫太郎(小林亜星)はせめて2日間だけでも二人だけにしてやろうと考えた。二人に内緒で他の家族、従業員とともに2泊3日の海水浴に出かけることにしたのだが、きん(悠木千帆)だけは残ると言ってきかない。やっとの思いで、きんも一緒に連れ出し海の宿に着いたのだが、翌朝きんは姿を消していた…。

<キャスト>
小林亜星　加藤治子　谷隼人　風吹ジュン　西城秀樹　浅田美代子　悠木千帆（樹木 希林）
今陽子　白鳥哲　池波志乃　左とん平　由利徹　伴淳三郎

<スタッフ>
原案・脚本：向田邦子　プロデューサー：久世光彦・宮田吉雄
演出：久世光彦・服部晴治・山泉脩・秋山征夫・鴨下信一
音楽：井上堯之・大野克夫　タイトルデザイン：上村一夫

出演者が語る、寺内貫太郎一家制作秘話
公開セミナー「名作の舞台裏スペシャル“寺内貫太郎一家”～久世光彦さんを偲んで～」より

出演：小林亜星　浅田美代子　大山勝美

1975年／日本／カラー／本編702分+特典17分／4:3／片面・２層／音声：日本語モノラル／第16話～第30話収録（全30話）／5枚組

※可能な限り修復を行っておりますが、一部マスターテープに起因するノイズ、画面の乱れがございます。あらかじめご了承ください。

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