FRÉWAKA/フレワカ Blu-ray
アイルランドの地に隠されたトラウマの根源(フレワカ)を呼び覚ます
禁断の〈ルーツ〉ホラー、誕生
- セル
- リリース日
- 2026年11月6日
- 価格
- ¥5,170(税抜価格 ¥4,700)
- 品番
- TCBD-1992
- 発売元
- TCエンタテインメント
作品ポイント
★アイルランド出身の新進気鋭の女性監督:アシュリン・クラーク
アイルランド出身の監督・脚本家、アシュリン・クラーク。彼女は、現代ジャンル映画界で最も注目すべき“才能”のひとつである。デビュー作『The Devil’s Doorway』(2018)が各国で公開され、主要映画祭で高評価を獲得した彼女は、映画芸術科学アカデミーによる「Gold Fellowship for Women」の受賞経歴も持つ。イギリスの著名批評家キム・ニューマンから「ジャンル映画の真の才能」と評され、世界的なオスカー受賞監督レクシー・アレクサンダー(『パニッシャー:ウォー・ゾーン』、『フーリガン』)をして「史上最も才能ある監督の一人」と言わしめた。そんなクラークの最新作『FRÉWAKA/フレワカ』は、全編アイルランド語で紡がれた初の長編ホラー映画であり、失われかけた母語への回帰でもある。幼少期からアイルランド語教育を受けた彼女にとって、この言語は亡き父との記憶と深く結びつく存在なのだ。その個人的ルーツを、フォークホラーの文脈に乗せ、アイルランドという国が抱える歴史の暗部と見事に融合させたのが本作。従来の英語圏ホラーとは一線を画す、土着の言語と文化に根差した意欲作として結実した。
★映画で描かれるアイルランドの闇
『FRÉWAKA/フレワカ』の背景には、アイルランドの歴史が抱えてきた“闇”が横たわっている。クラークは、北アイルランド問題や独立戦争、飢饉、そしてマグダレン洗濯所、職業訓練校、組織的児童虐待といった、国家が背負ってきた痛ましい歴史を“今も続くトラウマの連鎖”として表現した。さらに、長年この国が女性を抑圧してきた歴史にも切り込んでいる。それは、保守的なカトリック教会の社会観を反映したアイルランド共和国憲法の「女性の居場所は家庭である」と定義する条文に象徴され、家庭という閉ざされた空間は、愛の象徴である一方、女性に対する支配構造の温床ともなっていた。登場人物であるシューとペグの姿には、そんな社会を生きてきた女性たちの痛みが凝縮されている。
こうした負の遺産は、現代アイルランドにおいて、薬物依存やアルコール依存、自殺率の高さなど、メンタルヘルスの問題に姿を変えており、クラークはこの映画でその現実を直視する。本作が描く闇は、単なるホラー的恐怖で終わらない。それは今も続く社会の歪み――現実の恐怖なのだ。
★アイルランドに根付く土着信仰、ケルト神話
「アイルランド神話は、体系的な聖典がなく、語り継がれるうちに姿を変えてきた物語」と、クラークは語る。古代ケルトから続く土着儀式と共に受け継がれた口承の記憶は、キリスト教伝来以降のアイルランドの歴史と複雑に絡み合い、いつしか恐怖を内包していた。
例えば、作中で語られる見えない何か<イース・シー>(Na Sídhe)は、アイルランド神話に息づく超自然的存在だ。一説によれば、ケルトの神々に由来する妖精のようなものだという。クラークは言う、「イース・シーは妖精といっても、悪意を持っている。彼らは私たちを憎み、私たちの不幸や狂気の沙汰に喜びを感じている」と。
一方、アイルランド農村の結婚式では、藁で作った仮面を被った男たち<ストローボーイ(Strawboys)>が、婚礼の場に押しかけて踊るという習俗があった。本作冒頭から登場する奇妙な“藁仮面の男たち”は、この<ストローボーイ>の風習を映したものだが、それが<イース・シー>の伝承と重なる時、祝福と悪意が交錯するその姿に、婚礼という祝祭に潜む共同体の闇が見えてくる。
そして象徴的に登場する動物、ヤギ。それは、ケルト神話の角を持つ狩猟神かつ冥府神<ケルヌンノス(Cernunnos)>や、雄ヤギを街の王として祭り上げる伝統行事<パック・フェア(Puck Fair)>を想起させる。
クラークは、これらアイルランドの伝統儀式や信仰を織り交ぜ、古代ケルトから伝わる“変わり続ける神話”を、現代的解釈で掘り起こした。
★描かれるのはアイルランド女性に継承されるトラウマ
クラークは『FRÉWAKA/フレワカ』で、アイルランドの女性が抱える“痛みの歴史”を神話のように語り継ぐことに成功した。自らのルーツである、アイルランド語を使って。
母から娘へ、老婆から若い訪問看護師へと受け継がれていく“犠牲の記憶”は、時代ごとに語りの形を変えながら、断ち切られることなく大地に<根=fréamhacha(フレーヴァハ)>を張り続ける。
老婆ペグの自宅にある赤い扉には、“蹄鉄(ホースシュー)”が掲げられている。ケルト神話で鉄は悪霊を遠ざける物質であり、アイルランドでは結婚祝いに蹄鉄を贈る風習もあるというが、クラークはそれに守りと封じの二面性があることを見逃さない。本作は、幸福の護符である蹄鉄が掲げられた扉の内側で、女性たちが愛と支配の狭間に閉じ込められてきた歴史を示唆するのだ。
やがて主人公シューが辿り着くのは、母の記憶、半世紀前に失踪した花嫁の運命、そして血の系譜が交錯する終わらない輪廻――。クラークは、世代を超えて継承される“痛み”をフォークホラーの文法で語り直すことで、アイルランドの女性たちが抱えてきた歴史の暗部をそっと照らし出した。それは祈りにも似た、静かな告発と言えよう。
作品内容
地中でうねうねと絡み合う太い根のように、決して断ち切れない“女性たちの痛み”を描く、アイルランド発のホラー『FRÉWAKA(フレワカ)』。どこか神秘的な響きを持つそのタイトルは、現地の言葉<fréamhacha(フレーヴァハ)=“根”>に由来し、アイルランド語を使用して紡がれる初のホラー作品となっている。
監督を務めたのは、自身もアイルランドにルーツを持つ新進気鋭の女性作家アシュリン・クラーク。緑豊かな美しい大地の上で受け継がれてきた民間伝承、ケルト神話に宿る“土着の祈り”と“呪い”を見事に現代的解釈で甦らせた本作は、映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でスコア96%(2025年11月20日時点)の高評価を獲得しているほか、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭や第77回ロカルノ国際映画祭など各国の名だたる映画祭でも上映され多くの人を魅了している。
赤く光る十字架、不穏の影を纏って現れるヤギ、蹄鉄で閉ざされた赤い扉、謎の祝祭。そして婚礼の夜になぜ花嫁は姿を消したのか――。
『ミッドサマー』に続く、救いなきフォークホラーの注目作が、ついに日本上陸!
あらすじ
アイルランドの地に巣食う
現実と虚構が入り混じる美しくも悍ましい”狂夢”
婚礼の夜、花嫁は忽然と姿を消した――。その半世紀後、アイルランドの人里離れた村に住む老婆の介護のため訪れた看護師のシューは、閉ざされた村に漂う“何か”の気配を感じ始める。「ヤツらに気をつけなさい」と怯える老婆、どこからともなく聞こえてくる歌声、蹄鉄に囲まれた赤い扉、藁の被り物をした人々と謎の祝祭、そして掘り起こされていくこの地に伝わる古い記憶。徐々にシューは見えない“恐怖”に吞み込まれていくー。
キャスト&スタッフ
<キャスト>
シュー役:クレア・モネリー
ペグ役:ブリッド・ニー・ニーチテイン
<スタッフ>
脚本・監督:アシュリン・クラーク
特典映像
特報、予告編(予定)
※内容・名称は予告なく変更となる場合がございます。
商品仕様
【Blu-ray仕様】
2024年/アイルランド/本編103分/カラー/16:9LB/1層/音声:アイルランド語・英語DTS-HD Master Audio5.1ch/字幕:①日本語/1枚組
※字幕翻訳:高橋彩
※仕様は変更となる場合がございます。
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